審査建言
医薬分業制度の「大胆」な見直しを
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩
2018年6月15日号
薬剤師の悲願でもあった医薬分業制度は、薬価制度の見直しにより、一気に定着したが、医薬分業の歴史的経緯を振り返ってみる必要があるだろう。①明治時代から始まった、調剤は欧米のように薬の専門家である薬剤師が担当すべきであるという薬剤師からの主張②それに対抗し既得権を守るため、医師はオールマイティーであり、医師が調剤するのは当然であるという政治力を背景とした医師の主張③過剰投薬や不適正使用などを防ぐためには、処方した医師以外がチェックすべきであるという行政の主張④医師に処方だけではなく、調剤まで任せると、処方に薬価差によるバイアスがかかる恐れがあり、院外の別の立場の薬剤師が処方内容をチェックすべきであるという行政の主張⑤理念だけでは難しいので、高い調剤報酬や院外処方箋料などの経済的な要因により院外処方箋を誘導しようとする行政の施策⑥それを悪用して...
薬剤師の悲願でもあった医薬分業制度は、薬価制度の見直しにより、一気に定着したが、医薬分業の歴史的経緯を振り返ってみる必要があるだろう。①明治時代から始まった、調剤は欧米のように薬の専門家である薬剤師が担当すべきであるという薬剤師からの主張②それに対抗し既得権を守るため、医師はオールマイティーであり、医師が調剤するのは当然であるという政治力を背景とした医師の主張③過剰投薬や不適正使用などを防ぐためには、処方した医師以外がチェックすべきであるという行政の主張④医師に処方だけではなく、調剤まで任せると、処方に薬価差によるバイアスがかかる恐れがあり、院外の別の立場の薬剤師が処方内容をチェックすべきであるという行政の主張⑤理念だけでは難しいので、高い調剤報酬や院外処方箋料などの経済的な要因により院外処方箋を誘導しようとする行政の施策⑥それを悪用して診療
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