医薬経済オンライン

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「撤退できない」長期収載品

ペニシリン系配合注射剤で後発品が次々に供給停止に

㈱薬新 井高恭彦

2018年7月1日号

 薬価制度改革で18年4月に導入された長期収載医薬品(特許が切れ、後発品が参入している医薬品)の撤退スキームが早くも軋んでいる。一部、抗生剤で撤退が予測された長期品より先に後発品が供給を停止するという想定外の事態が起きた。こうなると長期品は供給継続せざるを得ず、撤退スキームは機能しない。同スキームは開始早々、弱点を晒している。 今改革では、すでに後発品に80%以上シェアを奪われている長期品を「G1品目」と位置付けた。そのうえで、G1品の薬価を今年4月以降、徐々に引き下げ、6年目に後発品と同じにすることが決まった。G1品の収益は、将来の先細りが確定的となったわけだ。このうえなお供給継続を強制すれば、経営的に窮地に追い込まれるメーカーも出てくる。公的社会保障制度下のルールとはいえ、企業の経営判断も尊重されてしかるべきだ。そんな考えのもと、一定の...  薬価制度改革で18年4月に導入された長期収載医薬品(特許が切れ、後発品が参入している医薬品)の撤退スキームが早くも軋んでいる。一部、抗生剤で撤退が予測された長期品より先に後発品が供給を停止するという想定外の事態が起きた。こうなると長期品は供給継続せざるを得ず、撤退スキームは機能しない。同スキームは開始早々、弱点を晒している。 今改革では、すでに後発品に80%以上シェアを奪われている長期品を「G1品目」と位置付けた。そのうえで、G1品の薬価を今年4月以降、徐々に引き下げ、6年目に後発品と同じにすることが決まった。G1品の収益は、将来の先細りが確定的となったわけだ。このうえなお供給継続を強制すれば、経営的に窮地に追い込まれるメーカーも出てくる。公的社会保障制度下のルールとはいえ、企業の経営判断も尊重されてしかるべきだ。そんな考えのもと、一定の要件

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