医薬経済オンライン

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注目新薬と市場展望

買収で強化される武田の「現金創出力」

第23回

UBS証券株式会社 調査本部アナリスト 関 篤史

2018年7月15日号

 武田薬品によるシャイアー買収発表から2ヵ月あまりが経過した。その間、数多くのメディアにさまざまな視点で、この買収が取り上げられた。6月28日の定期株主総会でも、買収反対派の提案は退けられた。巨額の買収資金もあって、なお注目される案件について、我われの見方を述べていきたい。①減配はないのか? まったく想定していない。武田薬品の配当方針は確かに不明瞭である。「株主還元の主な要素として確立された配当方針を維持する」とだけ述べており、1株あたり180円とは規定されていない。 しかし、シャイアー買収で武田薬品は強いキャッシュフローを獲得する。新株発行により株式数が倍になっても、コアEPS(特殊要因や無形資産償却を除いた現金ベースEPS)は現在の約300円から約500〜600円程度に上昇する。 欧米の医薬品企業はコアEPSのおよそ半分を配当に回す傾向...  武田薬品によるシャイアー買収発表から2ヵ月あまりが経過した。その間、数多くのメディアにさまざまな視点で、この買収が取り上げられた。6月28日の定期株主総会でも、買収反対派の提案は退けられた。巨額の買収資金もあって、なお注目される案件について、我われの見方を述べていきたい。①減配はないのか? まったく想定していない。武田薬品の配当方針は確かに不明瞭である。「株主還元の主な要素として確立された配当方針を維持する」とだけ述べており、1株あたり180円とは規定されていない。 しかし、シャイアー買収で武田薬品は強いキャッシュフローを獲得する。新株発行により株式数が倍になっても、コアEPS(特殊要因や無形資産償却を除いた現金ベースEPS)は現在の約300円から約500〜600円程度に上昇する。 欧米の医薬品企業はコアEPSのおよそ半分を配当に回す傾向が

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