医薬経済オンライン

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修復腎移植はなお問いかける

「先進医療」で6年越しの承認、依然残る臓器不足という課題

ジャーナリスト 髙橋幸春

2018年7月15日号

 7月5日、厚生労働省は先進医療会議を開き、万波誠医師(宇和島徳洲会病院)らが手掛けてきた修復腎移植を、条件付きながら、入院費など一部が保険適用になる「先進医療」として正式に承認した。 がんなどの患者から、治療のために摘出した腎臓を、がんの部位を除去して慢性腎不全患者に移植する修復腎移植。万波医師らが手掛けた移植件数は、91年から06年にかけて42例に達する。かつて「病腎移植」と呼ばれ危険視されたこの移植手術だが、とりわけ問題にされたのが、がん患者からの移植(腎臓細胞がん8件、尿管がん8件)だった。 07年3月31日、これら42例を踏まえ、日本移植学会など関連5学会が出した共同声明は、「病腎移植を全面否定」するものだった。5学会が「医学的妥当性はない」と結論付けたことで、一夜にして修復腎移植は「原則禁止」へと追い込まれた。 それから11年、この間に移...  7月5日、厚生労働省は先進医療会議を開き、万波誠医師(宇和島徳洲会病院)らが手掛けてきた修復腎移植を、条件付きながら、入院費など一部が保険適用になる「先進医療」として正式に承認した。 がんなどの患者から、治療のために摘出した腎臓を、がんの部位を除去して慢性腎不全患者に移植する修復腎移植。万波医師らが手掛けた移植件数は、91年から06年にかけて42例に達する。かつて「病腎移植」と呼ばれ危険視されたこの移植手術だが、とりわけ問題にされたのが、がん患者からの移植(腎臓細胞がん8件、尿管がん8件)だった。 07年3月31日、これら42例を踏まえ、日本移植学会など関連5学会が出した共同声明は、「病腎移植を全面否定」するものだった。5学会が「医学的妥当性はない」と結論付けたことで、一夜にして修復腎移植は「原則禁止」へと追い込まれた。 それから11年、この間に移植医

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