医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

日本と海外で大違い?「複数」の「基準値」

第37回

東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2018年8月1日号

 今回は中央社会保険医療協議会資料でも言及のあった「日本の閾値(基準値)」の海外と比べた妥当性について、もう一度議論したい。 いわゆる閾値、費用対効果の基準値もしくは上限値については、・支払意思法(1QALYに対していくらまでなら支払えるか)以外にも経済指標基準、機会費用基準、広く用いられている治療基準などさまざまな定め方があること・HTA機関での政策応用を考える際、閾値を予め定めている国は極めて少数で、英国ですら設立当初は閾値を置いていなかったこと・明確な根拠に基づくよりむしろ政治的にいい意味でも悪い意味でも「適当に」定められてきたことは過去の連載で述べてきた。「予め閾値を定めておかなければ、費用対効果の評価はできない」「どのような介入に対しても、共通の閾値が一意に定まる」 これらの不文律は、教科書的には腑に落ちやすい。しかし現実のH...  今回は中央社会保険医療協議会資料でも言及のあった「日本の閾値(基準値)」の海外と比べた妥当性について、もう一度議論したい。 いわゆる閾値、費用対効果の基準値もしくは上限値については、・支払意思法(1QALYに対していくらまでなら支払えるか)以外にも経済指標基準、機会費用基準、広く用いられている治療基準などさまざまな定め方があること・HTA機関での政策応用を考える際、閾値を予め定めている国は極めて少数で、英国ですら設立当初は閾値を置いていなかったこと・明確な根拠に基づくよりむしろ政治的にいい意味でも悪い意味でも「適当に」定められてきたことは過去の連載で述べてきた。「予め閾値を定めておかなければ、費用対効果の評価はできない」「どのような介入に対しても、共通の閾値が一意に定まる」 これらの不文律は、教科書的には腑に落ちやすい。しかし現実のHTA

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