読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
通底する医師の「資質」のテーマ
第102回
鍛冶孝雄
2018年8月1日号
テレビドラマの世界は刑事モノと並んで医療ドラマが幅を利かせているようだ。ようだ、というのは残念ながら、私はほとんどテレビドラマを観ないからで、その傾向は年齢とともに加速している。それでも「私、失敗しないので」というセリフが流行語となり、それが主人公の女性外科医の決め言葉ということくらいは知っている。 しかし、なぜ医療現場を舞台にしたドラマは人気を博すのだろうか。観ない人間にわかるはずはないが、多様な人間ドラマを描くには格好の素材ということになるのか。こうした傾向はエンターテイメントの世界では共通しているようで、小説でも医療をテーマにしたものが増え、さらにその作家も医師であることが普通になった。当欄でも、何人かの医師を職業としている作家の「小説」を読んできた。私には「小説」と「文学」の境界を分ける認識と能力に欠けるので、これまで読んでき...
テレビドラマの世界は刑事モノと並んで医療ドラマが幅を利かせているようだ。ようだ、というのは残念ながら、私はほとんどテレビドラマを観ないからで、その傾向は年齢とともに加速している。それでも「私、失敗しないので」というセリフが流行語となり、それが主人公の女性外科医の決め言葉ということくらいは知っている。 しかし、なぜ医療現場を舞台にしたドラマは人気を博すのだろうか。観ない人間にわかるはずはないが、多様な人間ドラマを描くには格好の素材ということになるのか。こうした傾向はエンターテイメントの世界では共通しているようで、小説でも医療をテーマにしたものが増え、さらにその作家も医師であることが普通になった。当欄でも、何人かの医師を職業としている作家の「小説」を読んできた。私には「小説」と「文学」の境界を分ける認識と能力に欠けるので、これまで読んできたも
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