技術革新と製薬企業の明日
遺伝子治療開発勝負の「秘策」
第95回 鍵を握るウイルスベクターは
生島准
2018年8月15日号
7月26日から東京・虎ノ門ヒルズで開催された日本遺伝子細胞治療学会の会場は、夏の酷暑を上回る熱気だった。米国で初めてin vivo(患者に直接注射する)遺伝子治療薬「ラクスターナ」と体外で遺伝子操作した細胞を患者に戻すex vivoの遺伝子治療薬「キムリア」(CAR–T細胞)が相次いで商品化されたためだ(表)。遺伝子治療は間違いなく、ポスト抗体薬の有力候補であり、会場はアカデミアや製薬関係者で鈴なりだった。 しかも、米国の遺伝子治療ブームは日本のそれを大きく上回る。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のNEWDIGSの調査によると、米国では22年までに39±4の遺伝子治療薬が認可されると強気の見方を示した。実際、17年の時点で、932の遺伝子治療候補が米国で開発されていた。「米国食品医薬品局(FDA)は現在、1000件以上の遺伝子操作の治験申請がある。昨年だけ...
7月26日から東京・虎ノ門ヒルズで開催された日本遺伝子細胞治療学会の会場は、夏の酷暑を上回る熱気だった。米国で初めてin vivo(患者に直接注射する)遺伝子治療薬「ラクスターナ」と体外で遺伝子操作した細胞を患者に戻すex vivoの遺伝子治療薬「キムリア」(CAR–T細胞)が相次いで商品化されたためだ(表)。遺伝子治療は間違いなく、ポスト抗体薬の有力候補であり、会場はアカデミアや製薬関係者で鈴なりだった。 しかも、米国の遺伝子治療ブームは日本のそれを大きく上回る。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のNEWDIGSの調査によると、米国では22年までに39±4の遺伝子治療薬が認可されると強気の見方を示した。実際、17年の時点で、932の遺伝子治療候補が米国で開発されていた。「米国食品医薬品局(FDA)は現在、1000件以上の遺伝子操作の治験申請がある。昨年だけで
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