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時流遡航

哲学の脇道遊行記―その概観考察

第16回 ─「具象」と「抽象」――理論形成の過程を考える─

本田成親

2018年8月15日号

 先に述べたルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉にもあるように、変遷する時代や思想の流れのなかにあって、何の支えにも頼ることなく自力で立ち続けつつ、生の旅路をひたすら歩み進むことは決して容易ではありません。そんな道行を実践するためには、アルベール・カミュが説いた「生の不条理」に起因する「精神の孤独」に耐え抜く覚悟さえも必要になってくることでしょう。しかも、人間社会という名の、絶え間ない川の流れの直中にあって自らの足でしっかりと立ち続けるには、常にその流れに抗いながら一定の足場を踏み固めることは重要ですが、いつまでもその場所にとどまっているだけでは十分でありません。 もちろん、時と場合によっては安易に足元を掬われないように時流に立ち向かい、不動の姿勢をとりながら、同じ地点にしっかりと佇み続けることも必要でしょう。しかし、真の意味での...  先に述べたルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉にもあるように、変遷する時代や思想の流れのなかにあって、何の支えにも頼ることなく自力で立ち続けつつ、生の旅路をひたすら歩み進むことは決して容易ではありません。そんな道行を実践するためには、アルベール・カミュが説いた「生の不条理」に起因する「精神の孤独」に耐え抜く覚悟さえも必要になってくることでしょう。しかも、人間社会という名の、絶え間ない川の流れの直中にあって自らの足でしっかりと立ち続けるには、常にその流れに抗いながら一定の足場を踏み固めることは重要ですが、いつまでもその場所にとどまっているだけでは十分でありません。 もちろん、時と場合によっては安易に足元を掬われないように時流に立ち向かい、不動の姿勢をとりながら、同じ地点にしっかりと佇み続けることも必要でしょう。しかし、真の意味での独立

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