「焦り」が生んだ4番手東京医大の迷走
ブランディングに注力も伴わなかった運営体制
2018年9月1日号
変わりゆく大学の勢力図に気圧され、東京医科大学には焦りがあったのだろうか。 東京地検特捜部が、東京医大の臼井正彦前理事長と鈴木衛前学長を贈賄罪の疑いで在宅起訴したのは今年7月だ。文部科学省の前科学・技術・学術政策局長の佐野太容疑者の息子を不正合格させる代わりに、私立大学の支援事業の選定で便宜を図るように依頼したという。 見返りとなったのは、文科省が16年度から始めた「私立大学研究ブランディング事業」だ。文科省の担当者は、その狙いについて、「特色のある研究を大学全体の売りにしてもらう」と説明する。これまでひとつの研究に対して補助することはあったが、大学の「ブランディング」を促す目的で投資するのは新しい取り組みだ。 例えば、初年度に選ばれた石巻専修大学は、「震災復興から地域資源の新結合による産業創出へ」がテーマだった。震災の影響で利用されな...
変わりゆく大学の勢力図に気圧され、東京医科大学には焦りがあったのだろうか。 東京地検特捜部が、東京医大の臼井正彦前理事長と鈴木衛前学長を贈賄罪の疑いで在宅起訴したのは今年7月だ。文部科学省の前科学・技術・学術政策局長の佐野太容疑者の息子を不正合格させる代わりに、私立大学の支援事業の選定で便宜を図るように依頼したという。 見返りとなったのは、文科省が16年度から始めた「私立大学研究ブランディング事業」だ。文科省の担当者は、その狙いについて、「特色のある研究を大学全体の売りにしてもらう」と説明する。これまでひとつの研究に対して補助することはあったが、大学の「ブランディング」を促す目的で投資するのは新しい取り組みだ。 例えば、初年度に選ばれた石巻専修大学は、「震災復興から地域資源の新結合による産業創出へ」がテーマだった。震災の影響で利用されなくな
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