医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

帳尻合わせが続く社会保障「改革」

第40回

ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳

2018年9月1日号

 中長期的な経済財政運営を定める「骨太方針2018」が6月、閣議決定され、これをもとに概算予算要求基準が決まるなど、19年度政府予算の議論がスタートした。骨太方針では財政再建目標を設定し直す一方、歳出改革の具体策や数値目標は盛り込んでおらず、社会保障費に関しても「歳出改革の重点分野」などと意気込んでいる割に、消極的な姿勢が目を引く。安倍晋三政権の財政・社会保障政策の考察も絡めつつ、19年度予算編成を展望することとしたい。今年は「球」不足? まず、骨太方針の内容を見る。ここでは国・地方のプライマリー・バランス(PB、基礎的財政収支)を25年度までに黒字化する方針を示したうえで、19~21年度を「基盤強化期間(仮称)」に位置付けて財政再建に取り組む考えを強調した。PBとは、その年の税収でその年の政策的経費を賄えているかを図る収支であり、赤字のままだと...  中長期的な経済財政運営を定める「骨太方針2018」が6月、閣議決定され、これをもとに概算予算要求基準が決まるなど、19年度政府予算の議論がスタートした。骨太方針では財政再建目標を設定し直す一方、歳出改革の具体策や数値目標は盛り込んでおらず、社会保障費に関しても「歳出改革の重点分野」などと意気込んでいる割に、消極的な姿勢が目を引く。安倍晋三政権の財政・社会保障政策の考察も絡めつつ、19年度予算編成を展望することとしたい。今年は「球」不足? まず、骨太方針の内容を見る。ここでは国・地方のプライマリー・バランス(PB、基礎的財政収支)を25年度までに黒字化する方針を示したうえで、19~21年度を「基盤強化期間(仮称)」に位置付けて財政再建に取り組む考えを強調した。PBとは、その年の税収でその年の政策的経費を賄えているかを図る収支であり、赤字のままだと財政

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