ブロックチェーンは「患者本位の医療」をもたらすか
自治体が先行する医療ビッグデータ
神戸市議会議員・元国会議員政策秘書 岡田裕二
2018年9月1日号
「娘さん、長くないんだって?」 大分市で飲食店を経営していた女性は、娘が難病のユーイング肉腫で入院していた08年夏、店の男性客から突然そう話しかけられ、戦慄を覚えた。この客は娘の担当看護師の夫で、看護師が病状を漏らしていたことが、後に判明した。娘は12月、19歳の若さで亡くなった。 かつてハンセン病の療養所に入所し、その後社会復帰した退所者の2割は病歴を誰にも告知しておらず、3割はいまだに病気への差別や偏見があると感じるという。社会復帰後も「隠せるだけ隠す」という必死の覚悟で生活する元患者も多い。これは精神病やエイズ、性病などにも共通する課題だ。 患者の病状、病歴は誰が所有し、誰が管理すべきなのか。この永遠の問いに、IT技術の進展が答えを出そうとしかけている。最近のビットコインブームに伴い、基盤技術であるブロックチェーンへの関心が熱を帯びてい...
「娘さん、長くないんだって?」 大分市で飲食店を経営していた女性は、娘が難病のユーイング肉腫で入院していた08年夏、店の男性客から突然そう話しかけられ、戦慄を覚えた。この客は娘の担当看護師の夫で、看護師が病状を漏らしていたことが、後に判明した。娘は12月、19歳の若さで亡くなった。 かつてハンセン病の療養所に入所し、その後社会復帰した退所者の2割は病歴を誰にも告知しておらず、3割はいまだに病気への差別や偏見があると感じるという。社会復帰後も「隠せるだけ隠す」という必死の覚悟で生活する元患者も多い。これは精神病やエイズ、性病などにも共通する課題だ。 患者の病状、病歴は誰が所有し、誰が管理すべきなのか。この永遠の問いに、IT技術の進展が答えを出そうとしかけている。最近のビットコインブームに伴い、基盤技術であるブロックチェーンへの関心が熱を帯びているが
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