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一筆入魂

沖縄で倒れERを経験して感じたこと

那覇だから助かった心筋梗塞?

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2018年9月1日号

 貴重な経験をした。 8月8日に急逝した沖縄県知事の翁長雄志氏の告別式を取材するため、13日に那覇市に滞在していたときのことだ。 朝から30度近い気温で湿度も高い。宿泊先のホテルからリュックを背負って出かけた。まずは告別式の開かれる大典寺の下見だ。トラックの荷台から、業者が花輪を次々と下ろして境内に並べるなど準備が進んでいる。 翁長氏の遺骨は、ここでの告別式の前に、知事公用車に乗って那覇中心部にある県庁や、かつて市長を務めた那覇市役所に立ち寄って最後のお別れをするという。 私もそこで取材をしたい。大典寺から県庁へ向かう午前11時半頃だった。途中の川の畔に差し掛かったとき、背中に痛みを感じた。リュックに入れたパソコンが重いのかもしれない。荷を下ろして護岸の階段に座り込む。  なぜか冷や汗が出てくる。〈那覇まで来て、告別式の取材をせず戻るわけには...  貴重な経験をした。 8月8日に急逝した沖縄県知事の翁長雄志氏の告別式を取材するため、13日に那覇市に滞在していたときのことだ。 朝から30度近い気温で湿度も高い。宿泊先のホテルからリュックを背負って出かけた。まずは告別式の開かれる大典寺の下見だ。トラックの荷台から、業者が花輪を次々と下ろして境内に並べるなど準備が進んでいる。 翁長氏の遺骨は、ここでの告別式の前に、知事公用車に乗って那覇中心部にある県庁や、かつて市長を務めた那覇市役所に立ち寄って最後のお別れをするという。 私もそこで取材をしたい。大典寺から県庁へ向かう午前11時半頃だった。途中の川の畔に差し掛かったとき、背中に痛みを感じた。リュックに入れたパソコンが重いのかもしれない。荷を下ろして護岸の階段に座り込む。  なぜか冷や汗が出てくる。〈那覇まで来て、告別式の取材をせず戻るわけにはいく

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