医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

陸自個人携行救急品の致命的欠陥

第59回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2018年9月1日号

 陸上自衛隊の個人携行救急品のうち70%が表の評価欄に「×」とある欠陥品だ。「チェストシール」「手袋」のように致命的な過失を招く恐れのあるもの、「止血ガーゼ」のように量、質ともにまったく役に立たないものすらある。表にあるすべての内容品を支給されても、たった1ヵ所の手足に受けた銃創の止血すらできない。救命力はわずか5%程度だろう。内容品が隊員の救命を追求して選ばれたものではないことが明らかだ。 現代戦では約80%以上は負傷後30分未満で死亡、2時間未満では90%に達する。戦場では最前線の治療施設に到着するまで2時間以上要してしまうため、戦死の90%は治療を受ける前に発生している。自衛隊員個人の救急品と救急処置能力が充実していなければ、負傷時に生きて治療施設に辿り着くことができない。これほど重要な個人携行救急品でありながら表にある、追加品まで含めたすべ...  陸上自衛隊の個人携行救急品のうち70%が表の評価欄に「×」とある欠陥品だ。「チェストシール」「手袋」のように致命的な過失を招く恐れのあるもの、「止血ガーゼ」のように量、質ともにまったく役に立たないものすらある。表にあるすべての内容品を支給されても、たった1ヵ所の手足に受けた銃創の止血すらできない。救命力はわずか5%程度だろう。内容品が隊員の救命を追求して選ばれたものではないことが明らかだ。 現代戦では約80%以上は負傷後30分未満で死亡、2時間未満では90%に達する。戦場では最前線の治療施設に到着するまで2時間以上要してしまうため、戦死の90%は治療を受ける前に発生している。自衛隊員個人の救急品と救急処置能力が充実していなければ、負傷時に生きて治療施設に辿り着くことができない。これほど重要な個人携行救急品でありながら表にある、追加品まで含めたすべて

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence