OBSERVER
上野太郎・サスメド代表
2018年9月15日号
システムで「治験」変革へ――ブロックチェーン(分散型台帳)を用いた「臨床開発支援システム」の構築を進めているそうですが、まず、治験に対する問題意識は。上野 非常にコストがかかっていることだ。製薬企業がCRO(医薬品開発受託機関)やSMO(治験施設支援機関)に支払う委託費用は増加している。カルテ(原資料)などのデータを基に、医師が症例報告書を作成し、CROが原資料と報告書の内容が本当に合致しているか、人手と時間をかけて確認しているのが現状だ。開発コストが嵩むと、薬価が高額となり、医療費に跳ね返ってくる。社会保障全体から見ると問題ではないか。 また、「ディオバン」の臨床研究不正事件がひとつのキッカケとなり、4月から「臨床研究法」が施行された。企業がかかわる臨床研究のデータの信頼性を国が疑問視して始まった法令で、人手やお金、時間をかけたモニタリ...
システムで「治験」変革へ――ブロックチェーン(分散型台帳)を用いた「臨床開発支援システム」の構築を進めているそうですが、まず、治験に対する問題意識は。上野 非常にコストがかかっていることだ。製薬企業がCRO(医薬品開発受託機関)やSMO(治験施設支援機関)に支払う委託費用は増加している。カルテ(原資料)などのデータを基に、医師が症例報告書を作成し、CROが原資料と報告書の内容が本当に合致しているか、人手と時間をかけて確認しているのが現状だ。開発コストが嵩むと、薬価が高額となり、医療費に跳ね返ってくる。社会保障全体から見ると問題ではないか。 また、「ディオバン」の臨床研究不正事件がひとつのキッカケとなり、4月から「臨床研究法」が施行された。企業がかかわる臨床研究のデータの信頼性を国が疑問視して始まった法令で、人手やお金、時間をかけたモニタリング
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