医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

siRNA医薬の登場と課題

第96回 幅広い疾患への適用の道のり

生島准

2018年9月15日号

 ポスト抗体医薬として、製薬企業やバイオ・ベンチャーから熱い期待を寄せられていたsiRNA(短鎖RNA干渉分子)医薬「オンパトロ」の実用化が、8月10日に米国で、8月30日に欧州で始まった。日本でも年内に製造承認申請される見込みで、19年にはsiRNA新薬が誕生する。しかし、舞台裏を探ってみると、siRNA医薬が抗体医薬のように市場を次々と席巻するには、解決しなくてはならないアキレス腱が存在した。他のオリゴ核酸医薬と同様、siRNA医薬も医薬送達システム(DDS)が未完成だったのだ。 06年のノーベル生理学・医学賞はRNA干渉(RNAi)の発見に与えられた。98年に線虫で、標的のmRNA(メッセンジャーRNA)と対合するRNA分子が2本鎖RNA分子を形成して、最終的に標的のmRNAを分解する現象、RNAiが報告された。疾患を起こす原因となる遺伝子を...  ポスト抗体医薬として、製薬企業やバイオ・ベンチャーから熱い期待を寄せられていたsiRNA(短鎖RNA干渉分子)医薬「オンパトロ」の実用化が、8月10日に米国で、8月30日に欧州で始まった。日本でも年内に製造承認申請される見込みで、19年にはsiRNA新薬が誕生する。しかし、舞台裏を探ってみると、siRNA医薬が抗体医薬のように市場を次々と席巻するには、解決しなくてはならないアキレス腱が存在した。他のオリゴ核酸医薬と同様、siRNA医薬も医薬送達システム(DDS)が未完成だったのだ。 06年のノーベル生理学・医学賞はRNA干渉(RNAi)の発見に与えられた。98年に線虫で、標的のmRNA(メッセンジャーRNA)と対合するRNA分子が2本鎖RNA分子を形成して、最終的に標的のmRNAを分解する現象、RNAiが報告された。疾患を起こす原因となる遺伝子を同

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