時流遡航
哲学の脇道遊行記―その概観考察
第18回 ─「帰納」と「演繹」の概念について考える─
本田成親
2018年9月15日号
具象と抽象の概念について大まかなところを述べてきましたが、それらの概念を考える場合に切り離すことのできないのが、帰納と演繹という2つの概念です。多くの方は高校時代の数学の時間に「数学的帰納法」なるものを学んだ記憶をお持ちでしょう。その際に、「帰納」という言葉と合わせて「演繹」という言葉をも教わったことだろうとは思うのですが、現実問題としてそれらが何を意味するのか、またそれらの概念を学ぶことにどのような意義があるのかについては、今ひとつよく理解できないままに終わってしまった方のほうが多いのではないでしょうか。 そこでまず、演繹とは何かということについて考えてみることにしましょう。数理科学の世界などには、それらが絶対的なものとして無条件で受け入れられている各種の定義、公理、定理、さらには諸々の法則などのような基礎概念が存在しています。通常...
具象と抽象の概念について大まかなところを述べてきましたが、それらの概念を考える場合に切り離すことのできないのが、帰納と演繹という2つの概念です。多くの方は高校時代の数学の時間に「数学的帰納法」なるものを学んだ記憶をお持ちでしょう。その際に、「帰納」という言葉と合わせて「演繹」という言葉をも教わったことだろうとは思うのですが、現実問題としてそれらが何を意味するのか、またそれらの概念を学ぶことにどのような意義があるのかについては、今ひとつよく理解できないままに終わってしまった方のほうが多いのではないでしょうか。 そこでまず、演繹とは何かということについて考えてみることにしましょう。数理科学の世界などには、それらが絶対的なものとして無条件で受け入れられている各種の定義、公理、定理、さらには諸々の法則などのような基礎概念が存在しています。通常、我
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録