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医政羅針盤

強化される都道府県の役割と今後の課題

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2018年10月1日号

 最近の医療政策では、都道府県の役割が強化されている。地域医療構想はその代表例だ。これまでも医療計画の策定を通じて、都道府県は地域の医療提供体制に責任を果たすこととされてきたが、その役割が一層重視されるようになっている。また、今年度から国民健康保険の財政運営責任を都道府県が担うこととなった。この背景には、国保の財政単位を広域化するというだけではなく、都道府県が医療保険財政と医療提供体制の双方に責任を持つことにより、医療提供体制改革に本気で取り組むことを期待する狙いもある。 今年の通常国会で成立した医療法・医師法改正でも、都道府県の役割を強化する見直しが行われている。医療需要も医療資源も地域差が大きいことから、厚生労働省が全国一律の取り組みを進めるだけでなく、都道府県が地域の実情を踏まえた施策を展開するのは不可欠なことだ。だが、それらが本...  最近の医療政策では、都道府県の役割が強化されている。地域医療構想はその代表例だ。これまでも医療計画の策定を通じて、都道府県は地域の医療提供体制に責任を果たすこととされてきたが、その役割が一層重視されるようになっている。また、今年度から国民健康保険の財政運営責任を都道府県が担うこととなった。この背景には、国保の財政単位を広域化するというだけではなく、都道府県が医療保険財政と医療提供体制の双方に責任を持つことにより、医療提供体制改革に本気で取り組むことを期待する狙いもある。 今年の通常国会で成立した医療法・医師法改正でも、都道府県の役割を強化する見直しが行われている。医療需要も医療資源も地域差が大きいことから、厚生労働省が全国一律の取り組みを進めるだけでなく、都道府県が地域の実情を踏まえた施策を展開するのは不可欠なことだ。だが、それらが本当に

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