平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
自衛官の救急法能力は最貧国以下
第61回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2018年10月1日号
筆者は7月、西アフリカのリベリアで警視総監やリベリア赤十字の社長、国際赤十字リベリア支部の支部長などに取材する機会を得た。日本が再びリベリアに支援を行えるかの可否を調査するためだ。 リベリアは米国で解放された黒人奴隷が建国し、アフリカ大陸ではエチオピアに次いで2番目に独立した(1847年)。かつては日本でも稲作技術の教育援助などをしていたが、89〜03年にかけて断続的に2度も起きた内戦により、世界最貧国のひとつとなっている。 滞在中、国防軍のMEDIC(衛生兵)が近隣住民を救護して病院へと運ぶ様子を目にした。技術レベルは相当なものだった。国防軍と警察への外傷救護や心肺脳蘇生の教育はリベリア赤十字が担当している。限られた教育資源を有効に活用する制度と高く評価したい。 平時の医療が破綻した事態では、医療の人的資源が決定的に不足する。効力を発...
筆者は7月、西アフリカのリベリアで警視総監やリベリア赤十字の社長、国際赤十字リベリア支部の支部長などに取材する機会を得た。日本が再びリベリアに支援を行えるかの可否を調査するためだ。 リベリアは米国で解放された黒人奴隷が建国し、アフリカ大陸ではエチオピアに次いで2番目に独立した(1847年)。かつては日本でも稲作技術の教育援助などをしていたが、89〜03年にかけて断続的に2度も起きた内戦により、世界最貧国のひとつとなっている。 滞在中、国防軍のMEDIC(衛生兵)が近隣住民を救護して病院へと運ぶ様子を目にした。技術レベルは相当なものだった。国防軍と警察への外傷救護や心肺脳蘇生の教育はリベリア赤十字が担当している。限られた教育資源を有効に活用する制度と高く評価したい。 平時の医療が破綻した事態では、医療の人的資源が決定的に不足する。効力を発揮す
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