「敗戦」避けられぬJT医薬事業
バブル経済末期に生まれ、平成最後で行き詰まる
2018年10月1日号
82.3%──。数年後には確実に到達するだろう後発品の数量シェアの予測値ではない。日本たばこ産業(JT)が毎年発表している全国喫煙者率調査の、1965年時点での日本人男性の喫煙率である。とくに働き盛りの40歳代のそれは86.7%に達しており、健康などの理由で“吸えない”人を除くと、当時はほぼ全員がたばこを吸っていた計算になる。翻って18年度の男性喫煙率は、全年齢の平均値が27.8%と、65年時の約3分の1にまで減ってしまった。喫煙者が最も多い40歳代でも35.5%と、ほぼ3人に2人は“吸わない人”となっている。 このように、基幹事業の市場が非可逆的に縮小する事態に直面し、食い扶持を失う前に新天地を果敢に求めた企業の代表例は、近年では、本誌でもしばしば取り上げた富士フイルムホールディングスが最右翼だろう。さらに、ヘルスケア分野に巨費を投じながらも一向に豊かな果実...
82.3%──。数年後には確実に到達するだろう後発品の数量シェアの予測値ではない。日本たばこ産業(JT)が毎年発表している全国喫煙者率調査の、1965年時点での日本人男性の喫煙率である。とくに働き盛りの40歳代のそれは86.7%に達しており、健康などの理由で“吸えない”人を除くと、当時はほぼ全員がたばこを吸っていた計算になる。翻って18年度の男性喫煙率は、全年齢の平均値が27.8%と、65年時の約3分の1にまで減ってしまった。喫煙者が最も多い40歳代でも35.5%と、ほぼ3人に2人は“吸わない人”となっている。 このように、基幹事業の市場が非可逆的に縮小する事態に直面し、食い扶持を失う前に新天地を果敢に求めた企業の代表例は、近年では、本誌でもしばしば取り上げた富士フイルムホールディングスが最右翼だろう。さらに、ヘルスケア分野に巨費を投じながらも一向に豊かな果実が実
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