鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
高血圧「降圧目標」強化 降圧薬服用者の増加を懸念する
第71回
鳥集徹
2018年10月1日号
9月14~16日に北海道旭川市で開かれた第41回日本高血圧学会総会で、来年に改定が予定されている「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)の草案が示された。 報道によると、高血圧の基準値を140/90㎜Hgに維持する一方で、合併症のない75歳未満成人の降圧目標を130/80㎜Hg未満に強化する方針だという(日経メディカル「新高血圧GL、日本は基準値140/90㎜Hg維持の方針」18年9月18日付)。 収縮期血圧を120まで下げたほうが140よりも心不全や死亡が少ないという結果になり、「そこまで下げるべきか」と議論を呼んだSPRINT試験等の結果を受けて、米国では昨年、高血圧の基準値を130/80㎜Hgに引き下げていた。一方、今年改定された欧州の基準値は140/90㎜Hgのままだが、降圧目標は130/80㎜Hg未満に引き下げられた。日本のガイドライン...
9月14~16日に北海道旭川市で開かれた第41回日本高血圧学会総会で、来年に改定が予定されている「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)の草案が示された。 報道によると、高血圧の基準値を140/90㎜Hgに維持する一方で、合併症のない75歳未満成人の降圧目標を130/80㎜Hg未満に強化する方針だという(日経メディカル「新高血圧GL、日本は基準値140/90㎜Hg維持の方針」18年9月18日付)。 収縮期血圧を120まで下げたほうが140よりも心不全や死亡が少ないという結果になり、「そこまで下げるべきか」と議論を呼んだSPRINT試験等の結果を受けて、米国では昨年、高血圧の基準値を130/80㎜Hgに引き下げていた。一方、今年改定された欧州の基準値は140/90㎜Hgのままだが、降圧目標は130/80㎜Hg未満に引き下げられた。日本のガイドラインも、
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