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眺望 医薬街道

割戻し項目になければ「公正取引ではない」

近藤正觀

2018年10月15日号

 厚生労働省は10月3日、「適切な仕切価・割戻し等の設定について」と題した事務連絡を発出した。医療用医薬品の流通については、歪な実態がまかり通っている。川上(メーカーと卸)と川下(卸と医療機関)の2つの流通があるが、どちらも奇々怪々の取引が存在する。 川上取引の「闇」の代表は「1次売差」マイナスで、川下取引の闇は「医療機関の過剰な値引き要求」の存在だ。この2つの闇は薬価基準制度の持つ「負の側面」に由来する。薬価基準は公的保険制度で「使用できる医薬品リスト」であると同時に「公定価格」という二面性を持つ。価格は国が決めるが、モノとしての流通は自由取引なのだ。医療保険を統制経済とすれば、薬価基準はその保険の中の自由経済という言い方もできる。つまり、現状の薬価制度は「統制」と「自由」の狭間にある「もともと矛盾した制度」なのだ。公的保険から医薬品を...  厚生労働省は10月3日、「適切な仕切価・割戻し等の設定について」と題した事務連絡を発出した。医療用医薬品の流通については、歪な実態がまかり通っている。川上(メーカーと卸)と川下(卸と医療機関)の2つの流通があるが、どちらも奇々怪々の取引が存在する。 川上取引の「闇」の代表は「1次売差」マイナスで、川下取引の闇は「医療機関の過剰な値引き要求」の存在だ。この2つの闇は薬価基準制度の持つ「負の側面」に由来する。薬価基準は公的保険制度で「使用できる医薬品リスト」であると同時に「公定価格」という二面性を持つ。価格は国が決めるが、モノとしての流通は自由取引なのだ。医療保険を統制経済とすれば、薬価基準はその保険の中の自由経済という言い方もできる。つまり、現状の薬価制度は「統制」と「自由」の狭間にある「もともと矛盾した制度」なのだ。公的保険から医薬品を外せ

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