現場が望む社会保障制度
「患者経験」から考える無駄な医療、かかりつけ薬剤師
第42回
ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳
2018年11月1日号
海外の文献を読むと、「Lay expert」(素人専門家)、「Patient experience」(患者経験)といった単語を目にする。官僚と専門家が政策形成プロセスを独占している日本では、イメージが湧きにくいが、医療・介護・福祉に関する患者や利用者の満足度を高めるうえで、「素人」の経験や語りを重視しようとする表れである。 その観点で言うと、筆者は約10年ぶりに「患者経験」をする羽目になった。と言っても単なる虫歯治療なのだが、それだけでも面白い経験がいくつかあった。できるだけ個人の経験を一般化しつつ、医療制度の見直しに役立つ議論を試みたい。医師需要誘発か? まず、歯科医師の選択である。会社に近いほうがいいと考え、グーグルで検索、いくつかの医療機関がヒットした。 しかし、よい医療機関に当たるかどうかは運次第。筆者はスタッフ同士の風通しがよさそうなクリニックを選んだが...
海外の文献を読むと、「Lay expert」(素人専門家)、「Patient experience」(患者経験)といった単語を目にする。官僚と専門家が政策形成プロセスを独占している日本では、イメージが湧きにくいが、医療・介護・福祉に関する患者や利用者の満足度を高めるうえで、「素人」の経験や語りを重視しようとする表れである。 その観点で言うと、筆者は約10年ぶりに「患者経験」をする羽目になった。と言っても単なる虫歯治療なのだが、それだけでも面白い経験がいくつかあった。できるだけ個人の経験を一般化しつつ、医療制度の見直しに役立つ議論を試みたい。医師需要誘発か? まず、歯科医師の選択である。会社に近いほうがいいと考え、グーグルで検索、いくつかの医療機関がヒットした。 しかし、よい医療機関に当たるかどうかは運次第。筆者はスタッフ同士の風通しがよさそうなクリニックを選んだが、そ
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