平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
稟議書文化が対策推進を阻む
第63回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2018年11月1日号
「一見困難に見える問題も、意思決定こそが解決の決め手であることが多い」戦争や大災害など有事の医療で、重要な役割を担う自衛隊の野外医療能力は、阪神・淡路大震災以降、低下の一途を辿っており「与えない、教えない、示さない」の「衛生3悪」の状態にある。 陸上自衛隊では隊員全員の個人携行救急品の内容品が追加されたが、70%が欠陥品であり、使用法も教育していないので機能を発揮していない。示された衛生ドクトリン「10分、1時間」も、戦闘の現実から乖離した80年代の民間の救急医療の丸写しであり、研究して定めたものではない。 方針は丸写し、教育は各部隊に丸投げ、衛生資材業者が丸儲けの状態は「3丸施策」とも言われる。筆者も現場の衛生科部隊の指揮官をしていたときは陸幕衛生部や陸自衛生学校に、方針だけでも示してほしいと思ったものだ。 対テロ戦争中、米軍は戦傷病治療の...
「一見困難に見える問題も、意思決定こそが解決の決め手であることが多い」戦争や大災害など有事の医療で、重要な役割を担う自衛隊の野外医療能力は、阪神・淡路大震災以降、低下の一途を辿っており「与えない、教えない、示さない」の「衛生3悪」の状態にある。 陸上自衛隊では隊員全員の個人携行救急品の内容品が追加されたが、70%が欠陥品であり、使用法も教育していないので機能を発揮していない。示された衛生ドクトリン「10分、1時間」も、戦闘の現実から乖離した80年代の民間の救急医療の丸写しであり、研究して定めたものではない。 方針は丸写し、教育は各部隊に丸投げ、衛生資材業者が丸儲けの状態は「3丸施策」とも言われる。筆者も現場の衛生科部隊の指揮官をしていたときは陸幕衛生部や陸自衛生学校に、方針だけでも示してほしいと思ったものだ。 対テロ戦争中、米軍は戦傷病治療の方針
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