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注目新薬と市場展望

筋道が見えてきたアルツハイマー型認知症治療剤

第27回

UBS証券株式会社 調査本部アナリスト 関 篤史

2018年11月15日号

 バルセロナで開催されたアルツハイマー型認知症臨床試験学会(CTAD)は1000人以上が参加し、規模が大きくなってきた。過去にアルツハイマー型認知症(AD)の臨床試験は累計270本以上が失敗し、潜在的な市場規模は大きいものの、製薬会社にとっては必ずしも魅力的な領域ではない。 直近ではBACE阻害剤で失敗が相次いだことは、アミロイドβ仮説に対する打撃であった。しかし、エーザイが公表した「BAN2401」の第Ⅱ相(201)試験結果は単なる偶然ではなく、我われはAD治療剤の開発における長いトンネルの出口がいよいよ見えつつあると考えている。 7月にシカゴで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)におけるデータには数多くの疑問が呈された。①最高用量群とプラセボ群におけるAPOE4患者の不均衡はプラセボ群の疾患進行を大きく見せ、ポジティブな傾...  バルセロナで開催されたアルツハイマー型認知症臨床試験学会(CTAD)は1000人以上が参加し、規模が大きくなってきた。過去にアルツハイマー型認知症(AD)の臨床試験は累計270本以上が失敗し、潜在的な市場規模は大きいものの、製薬会社にとっては必ずしも魅力的な領域ではない。 直近ではBACE阻害剤で失敗が相次いだことは、アミロイドβ仮説に対する打撃であった。しかし、エーザイが公表した「BAN2401」の第Ⅱ相(201)試験結果は単なる偶然ではなく、我われはAD治療剤の開発における長いトンネルの出口がいよいよ見えつつあると考えている。 7月にシカゴで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)におけるデータには数多くの疑問が呈された。①最高用量群とプラセボ群におけるAPOE4患者の不均衡はプラセボ群の疾患進行を大きく見せ、ポジティブな傾向

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