OBSERVER
奥羽大学薬学部医療薬学分野教授 中川直人
2018年12月1日号
臨床試験の論文が読めない――米国に比べ日本では、臨床試験の論文を批判的に読めない薬剤師が多いことを指摘されています。中川 米国で学んでいたときに感じた点だが、留学前の自分も含め日本の多くの薬剤師が臨床試験の論文を日常的に意識して読んでいない。宮城県とフロリダ州の薬剤師を比較するアンケート調査を行ったが、フロリダ州では「1ヵ月に5回以上」論文を読むという回答が最も多かったのに対し、日本では「1ヵ月に1回以下」が最多。論文を「どれくらい批判的に読めるか」にも、日本では圧倒的に「できない」という回答が多かった。 これでは、常に最新の治療に関心のある医師の意識にはついていけない。医師と薬剤師はそれぞれ独立し、むしろ薬剤師が医薬品について提案もする立場にあるなか、大きな課題だ。論文がしっかり読めれば、採用薬に関する議論が生まれることもあり得る。医師...
臨床試験の論文が読めない――米国に比べ日本では、臨床試験の論文を批判的に読めない薬剤師が多いことを指摘されています。中川 米国で学んでいたときに感じた点だが、留学前の自分も含め日本の多くの薬剤師が臨床試験の論文を日常的に意識して読んでいない。宮城県とフロリダ州の薬剤師を比較するアンケート調査を行ったが、フロリダ州では「1ヵ月に5回以上」論文を読むという回答が最も多かったのに対し、日本では「1ヵ月に1回以下」が最多。論文を「どれくらい批判的に読めるか」にも、日本では圧倒的に「できない」という回答が多かった。 これでは、常に最新の治療に関心のある医師の意識にはついていけない。医師と薬剤師はそれぞれ独立し、むしろ薬剤師が医薬品について提案もする立場にあるなか、大きな課題だ。論文がしっかり読めれば、採用薬に関する議論が生まれることもあり得る。医師と共
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