医薬経済オンライン

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研究不正の判断を司法に委ねた「失敗」

ディオバン訴訟・二審も無罪、医学界に突きつけられた責任

2018年12月1日号

 研究不正を司法の場で裁くというのが、筋違いだったのだろう。 「主文、本件控訴を棄却する」 11月19日午後1時半、東京高裁の法廷で、芦澤政治裁判長はそう述べると、被告であるノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄氏に無罪を言い渡した。白橋氏が東京地検に逮捕されたのは、4年以上前の14年6月。ノバルティスが製造販売する降圧剤「ディオバン」の医師主導臨床試験に統計解析者として関与し、データを改竄した疑いで、医薬品の虚偽・誇大広告を禁止した旧薬事法(現医薬品医療機器法)の違反に問われていた。 白橋氏は試験が行われた京都府立医科大学で、ディオバンの効果が高くなるように脳卒中などのデータを水増し。そして不正を行ったデータを医師に提供し、医師に虚偽論文を作成させ、ディオバンの宣伝に利用した疑いがあった。 検察の筋書きは、論文を広告と見做し、その論文の作成...  研究不正を司法の場で裁くというのが、筋違いだったのだろう。 「主文、本件控訴を棄却する」 11月19日午後1時半、東京高裁の法廷で、芦澤政治裁判長はそう述べると、被告であるノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄氏に無罪を言い渡した。白橋氏が東京地検に逮捕されたのは、4年以上前の14年6月。ノバルティスが製造販売する降圧剤「ディオバン」の医師主導臨床試験に統計解析者として関与し、データを改竄した疑いで、医薬品の虚偽・誇大広告を禁止した旧薬事法(現医薬品医療機器法)の違反に問われていた。 白橋氏は試験が行われた京都府立医科大学で、ディオバンの効果が高くなるように脳卒中などのデータを水増し。そして不正を行ったデータを医師に提供し、医師に虚偽論文を作成させ、ディオバンの宣伝に利用した疑いがあった。 検察の筋書きは、論文を広告と見做し、その論文の作成過程

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