間違いだらけのHTA
錯綜する英国での「キムリア」評価
第41回
東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中
2018年12月1日号
ノバルティスの「キムリア」、ギリアド・サイエンシズの「イエスカルタ」という2つのCAR–T(キメラT細胞受容体)療法の英NICE(国立技術評価機構)及びNHS(国民保健サービス)の評価を過去2回扱ってきた。NICEの非給付の仮決定が出た直後に、NHSから企業との合意成立のリリースが出るなど、やや錯綜した状態が続いている。 11月18日付で、小児・若年(正確には25歳以下)のB細胞性急性リンパ芽球性白血病へのキムリアについて、NICEの最終アプレイザル(総合的評価)文書が出された。前回扱った9月5日付のNHSのリリースを敷衍するかたちで、抗がん剤基金(CDF)での給付を認める内容だ。2つの薬剤の現状をまとめた表で、右上に相当する部分である。アプレイザルの最終結果がNICEから出されたのは初めてのケースであり、今回はこの内容を掘り下げてみたい。「...
ノバルティスの「キムリア」、ギリアド・サイエンシズの「イエスカルタ」という2つのCAR–T(キメラT細胞受容体)療法の英NICE(国立技術評価機構)及びNHS(国民保健サービス)の評価を過去2回扱ってきた。NICEの非給付の仮決定が出た直後に、NHSから企業との合意成立のリリースが出るなど、やや錯綜した状態が続いている。 11月18日付で、小児・若年(正確には25歳以下)のB細胞性急性リンパ芽球性白血病へのキムリアについて、NICEの最終アプレイザル(総合的評価)文書が出された。前回扱った9月5日付のNHSのリリースを敷衍するかたちで、抗がん剤基金(CDF)での給付を認める内容だ。2つの薬剤の現状をまとめた表で、右上に相当する部分である。アプレイザルの最終結果がNICEから出されたのは初めてのケースであり、今回はこの内容を掘り下げてみたい。「不
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