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「後味の悪い」ノーベル賞受賞

2018年12月1日号

 京都大学特別教授の本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した。本庶氏が解明し発見したのは「PD1」という免疫細胞による攻撃からがん細胞が逃れる鍵となるタンパク質。この発見を応用したものが小野薬品と米ブリストル・マイヤーズスクイブが開発した「オプジーボ」に代表される免疫チェックポイント阻害薬だ。 ノーベル賞を受賞されたことは、素直に喜びたい。しかし、どうも残念でならないのは、本庶氏が記者会見などの場で、率直な心情を吐露した、次の発言である。 「応用には時間がかかった。最終的には治療薬に結実したが、開発した小野に声をかけた当初は『効くかどうかわからない薬にお金はかけられない』と言われた。小野は大学でのこの研究にはまったく貢献していない。日本の製薬企業は、海外ばかりに目を向けている。各社の資本力は弱い。決断するまでに時間がかかりすぎる。国内...  京都大学特別教授の本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した。本庶氏が解明し発見したのは「PD1」という免疫細胞による攻撃からがん細胞が逃れる鍵となるタンパク質。この発見を応用したものが小野薬品と米ブリストル・マイヤーズスクイブが開発した「オプジーボ」に代表される免疫チェックポイント阻害薬だ。 ノーベル賞を受賞されたことは、素直に喜びたい。しかし、どうも残念でならないのは、本庶氏が記者会見などの場で、率直な心情を吐露した、次の発言である。 「応用には時間がかかった。最終的には治療薬に結実したが、開発した小野に声をかけた当初は『効くかどうかわからない薬にお金はかけられない』と言われた。小野は大学でのこの研究にはまったく貢献していない。日本の製薬企業は、海外ばかりに目を向けている。各社の資本力は弱い。決断するまでに時間がかかりすぎる。国内にい

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