医薬経済オンライン

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読む医療ー医師が書いた本の斜め読みー

終末期医療5段階説の原点を眺める

第110回

鍛冶孝雄

2018年12月1日号

 このコラムでの図書の選択傾向は時代の流れを映す。医療関連の本として流通する絶対量がそうなるのは仕方がなく、私も手に取る割合が増える。むろん、読者のニーズがそこにあるからだろう。尊厳死や終末期医療、端的には「人はいかに生きるべきか」ではなく、「いかに死ぬべきか」「どのような死に方をしたいか」に、人々の関心が集中している。私は、集中し過ぎているのではないかとの思いも、率直に示しておきたい。焦点の鮮明化は正解と問題の単線化、標準化を求め、同調圧力の根源になる。美しく、潔く、誰にも迷惑をかけず旅立つことを「理想」として多数派となることは無理がない。だが、私はそれを「理想」にはしたくない。最期を自分で決められないのであれば「死に至る過程」や、「死の瞬間」に理想を持つこと自体、ストレスでしかない。 生きることを考えてみるとわかりやすいのではないか...  このコラムでの図書の選択傾向は時代の流れを映す。医療関連の本として流通する絶対量がそうなるのは仕方がなく、私も手に取る割合が増える。むろん、読者のニーズがそこにあるからだろう。尊厳死や終末期医療、端的には「人はいかに生きるべきか」ではなく、「いかに死ぬべきか」「どのような死に方をしたいか」に、人々の関心が集中している。私は、集中し過ぎているのではないかとの思いも、率直に示しておきたい。焦点の鮮明化は正解と問題の単線化、標準化を求め、同調圧力の根源になる。美しく、潔く、誰にも迷惑をかけず旅立つことを「理想」として多数派となることは無理がない。だが、私はそれを「理想」にはしたくない。最期を自分で決められないのであれば「死に至る過程」や、「死の瞬間」に理想を持つこと自体、ストレスでしかない。 生きることを考えてみるとわかりやすいのではないか。「

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