平時医療体制の破綻に備える 〜電光石火こそ最良の有事医療〜
日本の救急に最も必要なの考え方
第66回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2018年12月15日号
日本の救命救急の考え方で最も問題なのは「心臓を生き物と意識していない、心臓が止まってから何とかしようとする」ことだと言われる。日本語の「救命手当」を、英語でLife Support(生命を支える)と言うように、人の生死は人知の及ぶ領域ではなく、できるのは死に瀕した状態から生へ連れ戻すことに過ぎないとする一神教の考え方のほうが実情に則している。 世界の救命に関する進歩は速い。ILCOR(国際蘇生連絡協議会)が定めるガイドラインも15年までは5年ごとに作成されてきたが、17年からILCORは迅速に対応するため1年ごとにCoSTR(心肺蘇生にかかわる科学的根拠と治療勧告コンセンサス)集として発表し、重要なトピックは迅速に勧告することになった。 市民に対しては、図1のように、救命教育をひとつに統合する傾向がある。呼吸機能と心臓機能が止まってしまう前に機能維持...
日本の救命救急の考え方で最も問題なのは「心臓を生き物と意識していない、心臓が止まってから何とかしようとする」ことだと言われる。日本語の「救命手当」を、英語でLife Support(生命を支える)と言うように、人の生死は人知の及ぶ領域ではなく、できるのは死に瀕した状態から生へ連れ戻すことに過ぎないとする一神教の考え方のほうが実情に則している。 世界の救命に関する進歩は速い。ILCOR(国際蘇生連絡協議会)が定めるガイドラインも15年までは5年ごとに作成されてきたが、17年からILCORは迅速に対応するため1年ごとにCoSTR(心肺蘇生にかかわる科学的根拠と治療勧告コンセンサス)集として発表し、重要なトピックは迅速に勧告することになった。 市民に対しては、図1のように、救命教育をひとつに統合する傾向がある。呼吸機能と心臓機能が止まってしまう前に機能維持に努
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