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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

都心では飽和状態の在宅医 レベルアップが不可欠だ

第76回 

鳥集徹

2018年12月15日号

 ここのところ、何人かの在宅医を取材したのだが、そこで興味深い話を聞いた。東京や大阪では在宅医が増えて、飽和状態になりつつあるというのだ。 新規開業した医師たちが患者を紹介してほしいと地域の基幹病院や老人施設などに挨拶(営業)に行っても、順番待ちになっていて、患者が紹介されるまで、数ヵ月から半年かかることもあるそうだ。また、在宅医の少ない空白地帯に、都心から患者を求めて進出するクリニックもあると聞いた。 こうなったのは言うまでもなく、国が入院医療を抑制し、在宅医療にシフトさせるべく、在宅看取りなど一連の診療報酬を手厚くしたからだ。思えば10年ほど前、「家で死にたくても、看取ってくれる医師が少ない」と何度か記事で書いたような気がする。それがここまで変わるのだから、人を動かすお金の力をまざまざと見せつけられる思いがする。 在宅医が増えたこと自...  ここのところ、何人かの在宅医を取材したのだが、そこで興味深い話を聞いた。東京や大阪では在宅医が増えて、飽和状態になりつつあるというのだ。 新規開業した医師たちが患者を紹介してほしいと地域の基幹病院や老人施設などに挨拶(営業)に行っても、順番待ちになっていて、患者が紹介されるまで、数ヵ月から半年かかることもあるそうだ。また、在宅医の少ない空白地帯に、都心から患者を求めて進出するクリニックもあると聞いた。 こうなったのは言うまでもなく、国が入院医療を抑制し、在宅医療にシフトさせるべく、在宅看取りなど一連の診療報酬を手厚くしたからだ。思えば10年ほど前、「家で死にたくても、看取ってくれる医師が少ない」と何度か記事で書いたような気がする。それがここまで変わるのだから、人を動かすお金の力をまざまざと見せつけられる思いがする。 在宅医が増えたこと自体は

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