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時流遡航

哲学の脇道遊行記―その実景探訪

第6回 ─固体の存在あってこそ誕生した自然数の概念─

本田成親

2018年12月15日号

 言うまでもないことですが、この世界において数字の「1」に代表されるような自然数の概念が誕生したのは、その背景に「固体」と呼ばれる存在があったからにほかなりません。今さらそんな説明など不必要なことでしょうが、固体とは、人間が基準としている時間尺度や知覚能力、さらにはそれに伴う認識様態を前提にして考えた場合、一定期間その性質や形状を同一の状態で維持し続けているような存在を意味しています。 細胞レベルでは常時代謝を繰り返しながらも外見上は一定の性質と形状を保持し続けているように見える動植物などの各種生命体はむろん固体です。それら生命体などの様相を説明する場合に、生物学者の福岡伸一氏らがよく用いる概念に「動的平衡」と称されるものがありますが、その概念を象徴するような特質を具え持つ我われ個々の人間もまた、立派な「固体」だということになるのです。...  言うまでもないことですが、この世界において数字の「1」に代表されるような自然数の概念が誕生したのは、その背景に「固体」と呼ばれる存在があったからにほかなりません。今さらそんな説明など不必要なことでしょうが、固体とは、人間が基準としている時間尺度や知覚能力、さらにはそれに伴う認識様態を前提にして考えた場合、一定期間その性質や形状を同一の状態で維持し続けているような存在を意味しています。 細胞レベルでは常時代謝を繰り返しながらも外見上は一定の性質と形状を保持し続けているように見える動植物などの各種生命体はむろん固体です。それら生命体などの様相を説明する場合に、生物学者の福岡伸一氏らがよく用いる概念に「動的平衡」と称されるものがありますが、その概念を象徴するような特質を具え持つ我われ個々の人間もまた、立派な「固体」だということになるのです。 も

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