特集・武田薬品
メガファーマ「日本人CEO」の実現度
武田シャイアー買収で増大する素朴な疑問
2019年1月1日号
「日の丸」を掲げる武田薬品は、アイルランド・シャイアーを買収し、世界売上高ランキングは18位から8位に躍り出る。日本M&A史上の最高額を塗り替える約7兆円の巨費を投じる大決断を下したのは、フランス人のクリストフ・ウェバー社長(52)で、世界トップ10入りは日本勢としては初の快挙。武田はウェバー社長の経営手腕によって、名実ともに「日本発のグローバルメガファーマ」に変貌を遂げようとしている。 それでも、武田の生え抜き社員を含め、社内外の一般的日本人の気持ちの高揚を、残念ながら一向に感じることはできない。ここ数年、ウェバー社長のリーダーシップのもと、研究開発組織の抜本的見直しや事業売却など「換骨奪胎」を進め、結果的に次々と中途の外国人が要職を占める一方、武田で純粋培養された日本人社員が会社を去った、という事実があるからだ。 武田は早速、新しい社外取...
「日の丸」を掲げる武田薬品は、アイルランド・シャイアーを買収し、世界売上高ランキングは18位から8位に躍り出る。日本M&A史上の最高額を塗り替える約7兆円の巨費を投じる大決断を下したのは、フランス人のクリストフ・ウェバー社長(52)で、世界トップ10入りは日本勢としては初の快挙。武田はウェバー社長の経営手腕によって、名実ともに「日本発のグローバルメガファーマ」に変貌を遂げようとしている。 それでも、武田の生え抜き社員を含め、社内外の一般的日本人の気持ちの高揚を、残念ながら一向に感じることはできない。ここ数年、ウェバー社長のリーダーシップのもと、研究開発組織の抜本的見直しや事業売却など「換骨奪胎」を進め、結果的に次々と中途の外国人が要職を占める一方、武田で純粋培養された日本人社員が会社を去った、という事実があるからだ。 武田は早速、新しい社外取締役
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