間違いだらけのHTA
「単一薬剤・複数価格」の実態は
第42回
東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中
2019年1月1日号
過去3回続けて扱ってきたCAR︱T(キメラT細胞受容体療法)の英国の評価状況。12月7日にNHS(国民保健サービス)の合意発表から約2ヵ月遅れて、成人の「イエスカルタ」に関するNICEの最終アプレイザル文書(FAD)が発表された。小児・若年への「キムリア」と同様、抗がん剤基金(CDF)での給付を認めるものだ。 あわせてNHS本体の11月27日のリリースによれば、ロンドンの病院で、CAR︱Tの1例目の症例として小児のキムリア治療がまもなく開始される見込みだ。「小児・若年へのキムリア」「成人へのイエスカルタ」は、CDF推奨でほぼ確定した。現段階でまだ決定が出ていないのは成人へのキムリアの使用の可否になる。今回は「単一薬剤・複数価格」をめぐる諸外国の状況を紹介したい。 日本での試行的導入で採用された「ICER(増分費用効果比)と価格を1対1対応」...
過去3回続けて扱ってきたCAR︱T(キメラT細胞受容体療法)の英国の評価状況。12月7日にNHS(国民保健サービス)の合意発表から約2ヵ月遅れて、成人の「イエスカルタ」に関するNICEの最終アプレイザル文書(FAD)が発表された。小児・若年への「キムリア」と同様、抗がん剤基金(CDF)での給付を認めるものだ。 あわせてNHS本体の11月27日のリリースによれば、ロンドンの病院で、CAR︱Tの1例目の症例として小児のキムリア治療がまもなく開始される見込みだ。「小児・若年へのキムリア」「成人へのイエスカルタ」は、CDF推奨でほぼ確定した。現段階でまだ決定が出ていないのは成人へのキムリアの使用の可否になる。今回は「単一薬剤・複数価格」をめぐる諸外国の状況を紹介したい。 日本での試行的導入で採用された「ICER(増分費用効果比)と価格を1対1対応」させ
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