OBSERVER
紺野大介・清華大学招聘教授・北京大学客座教授
2019年1月1日号
「ひと」は競争で磨かれる――日本の教育、科学技術政策の現状についてお聞かせください。紺野 周知のとおり、日本の「科学技術政策」も「物つくり強化」も、カンフル注射のような対処療法で解決が導かれるほど単純ではない。結局、何をするにも原点は「ひと」を創ること。次世代の活性化に向け、教育の根幹は「いかに子ども達それぞれに心の火を付けてあげられるか?」だろう。 イスラエルのヘブライ大学教授の自宅に招かれたとき、幼児教育の話になった。3、4歳になるとユダヤの母親は「風は目に見えないし、匂いもかたちもないのに、どうして感じるの?」と子どもに考えさせる。子は次第に生活、自然、地球など思考するようになる。こうして6、7歳くらいになると、今度は母親に「コップの水はなぜ透明なの?」と質問。母親は光の反射の原理など説明する。日本ではどうか。ほとんどの母親は「水は...
「ひと」は競争で磨かれる――日本の教育、科学技術政策の現状についてお聞かせください。紺野 周知のとおり、日本の「科学技術政策」も「物つくり強化」も、カンフル注射のような対処療法で解決が導かれるほど単純ではない。結局、何をするにも原点は「ひと」を創ること。次世代の活性化に向け、教育の根幹は「いかに子ども達それぞれに心の火を付けてあげられるか?」だろう。 イスラエルのヘブライ大学教授の自宅に招かれたとき、幼児教育の話になった。3、4歳になるとユダヤの母親は「風は目に見えないし、匂いもかたちもないのに、どうして感じるの?」と子どもに考えさせる。子は次第に生活、自然、地球など思考するようになる。こうして6、7歳くらいになると、今度は母親に「コップの水はなぜ透明なの?」と質問。母親は光の反射の原理など説明する。日本ではどうか。ほとんどの母親は「水は昔か
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