医薬経済オンライン

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ディオバン「上告」は検察の面子

高裁無罪判決日にゴーン氏逮捕をぶつけてまで

元特捜部主任検事 前田恒彦

2019年1月15日号

 18年11月、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏らの電撃逮捕で、ある重大裁判が一般の報道から消えた。それがディオバン事件の高裁判決だ。一審の無罪が是認され、東京地検特捜部が2連敗するという大失態だった。 発端は、12年から13年にかけ、ノバルティスファーマの降圧剤「ディオバン」のデータ改竄が明るみに出たことだった。報道は過熱し、厚生労働省も異例の措置として薬事法(医薬品医療機器法)の誇大広告罪で調査せざるを得なくなった。しかし、誰が実行犯なのかすら特定できず、14年、事もあろうに「氏名不詳の行為者」をノバルティスともども刑事告発するに至った。 確かに、新薬承認後の臨床研究に関する不正であり、薬事法による規制の不備を突いた面があった。それでも、製薬会社の資金提供に基づく研究であるうえ、その結果も医師へのPR材料となっているわけだから、厚労省が何...  18年11月、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏らの電撃逮捕で、ある重大裁判が一般の報道から消えた。それがディオバン事件の高裁判決だ。一審の無罪が是認され、東京地検特捜部が2連敗するという大失態だった。 発端は、12年から13年にかけ、ノバルティスファーマの降圧剤「ディオバン」のデータ改竄が明るみに出たことだった。報道は過熱し、厚生労働省も異例の措置として薬事法(医薬品医療機器法)の誇大広告罪で調査せざるを得なくなった。しかし、誰が実行犯なのかすら特定できず、14年、事もあろうに「氏名不詳の行為者」をノバルティスともども刑事告発するに至った。 確かに、新薬承認後の臨床研究に関する不正であり、薬事法による規制の不備を突いた面があった。それでも、製薬会社の資金提供に基づく研究であるうえ、その結果も医師へのPR材料となっているわけだから、厚労省が何らか

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