医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

救命への富士学校と衛生学校の差

第68回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2019年1月15日号

 稟議書で意思決定をしているのは日本くらいなものだ。海外では、図1にあるような書面で複数の関係者の承認を得ることはほとんどない。基本は起案者の所属する部門の長が承認すれば決裁される。 防衛省では稟議書を「起案書」と呼ぶが、いつまでも図2のような決裁方式を続けていては、有事に即応できないばかりか、時代に大きく取り残されてしまう。 稟議書文化が国を滅ぼした例がある。ローマ帝国では貧富貴賎を問わずあらゆる人々が指輪型印章を所有しており、印章文化が華やかだった。西ローマ帝国が完全に滅亡後、1000年続いた東ローマ帝国は1450年に新興国トルコの大軍によって首都コンスタンチノープルへの攻撃を受けた。首都が襲撃されている最中、役人たちは軍隊を出動させるか否かを決定するために、1日がかりで書類1枚あたり11もの印鑑を押していた。この間にトルコ軍は首都を...  稟議書で意思決定をしているのは日本くらいなものだ。海外では、図1にあるような書面で複数の関係者の承認を得ることはほとんどない。基本は起案者の所属する部門の長が承認すれば決裁される。 防衛省では稟議書を「起案書」と呼ぶが、いつまでも図2のような決裁方式を続けていては、有事に即応できないばかりか、時代に大きく取り残されてしまう。 稟議書文化が国を滅ぼした例がある。ローマ帝国では貧富貴賎を問わずあらゆる人々が指輪型印章を所有しており、印章文化が華やかだった。西ローマ帝国が完全に滅亡後、1000年続いた東ローマ帝国は1450年に新興国トルコの大軍によって首都コンスタンチノープルへの攻撃を受けた。首都が襲撃されている最中、役人たちは軍隊を出動させるか否かを決定するために、1日がかりで書類1枚あたり11もの印鑑を押していた。この間にトルコ軍は首都を占領

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence