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時流遡航

哲学の脇道遊行記―その実景探訪

第8回 ─数学という記号言語と日常言語の比較考察─

本田成親

2019年1月15日号

 自然科学や各種工学分野の研究を根底で支える数学は、一般に言語の世界などとはまるで無縁な学術領域だと考えられがちですが、決してそうではありません。これまでも指摘してきたように、数学とは言語の一種にほかならないのです。もちろん、数学や数理科学の理論の展開には日常言語による記述も用いられてはいるのですが、その中核を成すのはほかならぬ多種多様な「特殊記号」の数々です。記号言語と呼ばれるそれら一群の特異な記述用語の活用があってこそ、数学という学問はその存在意義を有しているのです。数学史に名高い天才数学者フリードリッヒ・ガウスが、若い時代に数学研究の分野に進むか言語学研究の分野に進むかで悩んでいたという逸話が伝わっているのも、数学と言語学との間に切っても切れない関係が存在しているからこそだったのです。ただ、その一方で、数学につきものの特殊記号の数...  自然科学や各種工学分野の研究を根底で支える数学は、一般に言語の世界などとはまるで無縁な学術領域だと考えられがちですが、決してそうではありません。これまでも指摘してきたように、数学とは言語の一種にほかならないのです。もちろん、数学や数理科学の理論の展開には日常言語による記述も用いられてはいるのですが、その中核を成すのはほかならぬ多種多様な「特殊記号」の数々です。記号言語と呼ばれるそれら一群の特異な記述用語の活用があってこそ、数学という学問はその存在意義を有しているのです。数学史に名高い天才数学者フリードリッヒ・ガウスが、若い時代に数学研究の分野に進むか言語学研究の分野に進むかで悩んでいたという逸話が伝わっているのも、数学と言語学との間に切っても切れない関係が存在しているからこそだったのです。ただ、その一方で、数学につきものの特殊記号の数々が

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