医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

「幸せ」に貢献しているか 新年、製薬業界は自問自答を

第78回

鳥集徹

2019年1月15日号

 元号が変わる今年、製薬業界にどんなことを望みたいか。患者の立場から考えて、浮かんだキーワードが「幸せ」だった。果たして製薬業界の方々は現在、世の人々の幸せに貢献していると胸を張って言えるだろうか。 例えば厳寒の今シーズン、まさに抗インフルエンザ薬の書き入れ時だ。有力商品を持つ製薬会社のマーケティングや営業の担当者は、各メディア向けのプロモーションや処方権を持つ医師への売り込みなど、さまざまな対策を打ったことだろう。それで自社製品の売上げ目標を達成できれば万々歳だ。 だが、それが世の人々の幸せにどれだけつながっているのか。抗インフル薬を飲めば早く症状が治まり、早く学校や会社に行くことができる。 ただ、薬を飲んで得られる恩恵は、1日早く症状が治まるかどうかだ。そもそもインフルエンザは、ふだん健康な人なら薬を飲まなくても自然に治ってしまう。...  元号が変わる今年、製薬業界にどんなことを望みたいか。患者の立場から考えて、浮かんだキーワードが「幸せ」だった。果たして製薬業界の方々は現在、世の人々の幸せに貢献していると胸を張って言えるだろうか。 例えば厳寒の今シーズン、まさに抗インフルエンザ薬の書き入れ時だ。有力商品を持つ製薬会社のマーケティングや営業の担当者は、各メディア向けのプロモーションや処方権を持つ医師への売り込みなど、さまざまな対策を打ったことだろう。それで自社製品の売上げ目標を達成できれば万々歳だ。 だが、それが世の人々の幸せにどれだけつながっているのか。抗インフル薬を飲めば早く症状が治まり、早く学校や会社に行くことができる。 ただ、薬を飲んで得られる恩恵は、1日早く症状が治まるかどうかだ。そもそもインフルエンザは、ふだん健康な人なら薬を飲まなくても自然に治ってしまう。イン

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