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経済記事の読み方

東証が目論む「市場区分」見直し

過去を振り返れば「不安」だらけ

2019年2月1日号

 東京証券取引所が上場市場の区分見直しに動き出した。一般投資家向けの市場は現在4つあるが、区別がわかりにくいうえに細分化し過ぎているとの声が出ているからだ。先物市場との統合をめざす総合取引所構想の協議にも入っており、証券取引所をめぐる再編が今年は加速しそうだ。 東証は18年11月、金融界に詳しい神田秀樹氏など有識者6人で構成する「市場構造のあり方に関する懇談会」を開き、市場区分の問題点について議論を交わした。 上場は、業容拡大のための成長資金を得たい企業が株式を公開して資金調達するのが初期段階での目的だ。上場によって知名度を上げて優秀な人材を確保し、株価を上昇させて信用力を向上させる。株式市場は、企業価値を高めるための動機付けの役割を担っているのである。 ところが、東証をはじめとする証券取引所は、個人投資家の呼び込みを焦るあまり、90年代終盤...  東京証券取引所が上場市場の区分見直しに動き出した。一般投資家向けの市場は現在4つあるが、区別がわかりにくいうえに細分化し過ぎているとの声が出ているからだ。先物市場との統合をめざす総合取引所構想の協議にも入っており、証券取引所をめぐる再編が今年は加速しそうだ。 東証は18年11月、金融界に詳しい神田秀樹氏など有識者6人で構成する「市場構造のあり方に関する懇談会」を開き、市場区分の問題点について議論を交わした。 上場は、業容拡大のための成長資金を得たい企業が株式を公開して資金調達するのが初期段階での目的だ。上場によって知名度を上げて優秀な人材を確保し、株価を上昇させて信用力を向上させる。株式市場は、企業価値を高めるための動機付けの役割を担っているのである。 ところが、東証をはじめとする証券取引所は、個人投資家の呼び込みを焦るあまり、90年代終盤の株

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