医薬経済オンライン

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賛否両論

政策誘導、バブル、そしてバッシング

医薬分業 近現代史

2019年2月1日号

 この国の医薬分業は「政策誘導」によって進んだといっても過言ではない。 1974年、当時の厚生省は分業実施による医師の技術料「処方せん料」を50点に引き上げ誘導を開始。92年には薬価算定方式を「Rゾーン方式」に替え、薬価差縮小に乗り出した。「処方せん料」の増額といった診療報酬上の措置と、薬価算定方式変更による薬価差益縮小という2つ誘導策によって、医療機関を分業へと導いた。要は、病院内で調剤することによって得られる薬価差益よりも、処方箋を街の薬局へ出す技術料を厚くしたのだ。金銭的優位差を医療機関に見せつけた「札束で医療機関の頬を叩くようなやり方」(関係者)で、政策誘導していった訳だ。院外処方は急速に伸び、90年代から00年代にかけ、調剤薬局は店舗を出せば儲かる〝分業バブル〟に突入した。 すると、日本薬剤師会では幹部の椅子をめぐる政治抗争が勃発。そ...  この国の医薬分業は「政策誘導」によって進んだといっても過言ではない。 1974年、当時の厚生省は分業実施による医師の技術料「処方せん料」を50点に引き上げ誘導を開始。92年には薬価算定方式を「Rゾーン方式」に替え、薬価差縮小に乗り出した。「処方せん料」の増額といった診療報酬上の措置と、薬価算定方式変更による薬価差益縮小という2つ誘導策によって、医療機関を分業へと導いた。要は、病院内で調剤することによって得られる薬価差益よりも、処方箋を街の薬局へ出す技術料を厚くしたのだ。金銭的優位差を医療機関に見せつけた「札束で医療機関の頬を叩くようなやり方」(関係者)で、政策誘導していった訳だ。院外処方は急速に伸び、90年代から00年代にかけ、調剤薬局は店舗を出せば儲かる〝分業バブル〟に突入した。 すると、日本薬剤師会では幹部の椅子をめぐる政治抗争が勃発。その隣

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