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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

陸自が欠陥救急品を採用する理由

第69回 

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2019年2月1日号

 第59回(18年9月1日号)で、陸上自衛隊の個人携行救急品のうち70%が欠陥品であることを取り上げた。18年11月の参院外交防衛委員会では、「止血ガーゼ」「チェストシール」「手袋」がとくに致命的だと指摘され、防衛省は19年1月、更新に合わせて調達することを決定した。これで世界最低レベルの質は確保できたが、すでに15万9000セットの調達を開始したあとの変更というのでは遅すぎる。 16年度補正予算実績では調達に費やした14億6000万円のうち7億2900万円が、3品目の購入に充てられており、予算の半分も使って欠陥品を買ったことになる。15万9000セットとは陸自隊員1人に1個の数で、訓練用救急品の調達はなされていない。それ故、滅菌包装されているチェストシールや止血ガーゼの中身を見たことすらない陸自隊員が圧倒的多数だ。見たことがないものを実際に使いこなすこと...  第59回(18年9月1日号)で、陸上自衛隊の個人携行救急品のうち70%が欠陥品であることを取り上げた。18年11月の参院外交防衛委員会では、「止血ガーゼ」「チェストシール」「手袋」がとくに致命的だと指摘され、防衛省は19年1月、更新に合わせて調達することを決定した。これで世界最低レベルの質は確保できたが、すでに15万9000セットの調達を開始したあとの変更というのでは遅すぎる。 16年度補正予算実績では調達に費やした14億6000万円のうち7億2900万円が、3品目の購入に充てられており、予算の半分も使って欠陥品を買ったことになる。15万9000セットとは陸自隊員1人に1個の数で、訓練用救急品の調達はなされていない。それ故、滅菌包装されているチェストシールや止血ガーゼの中身を見たことすらない陸自隊員が圧倒的多数だ。見たことがないものを実際に使いこなすことはで

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