医薬経済オンライン

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注目新薬と市場展望

費用対効果評価は「将来に禍根を残すか」

第30回 

UBS証券株式会社 調査本部アナリスト 関 篤史

2019年2月15日号

 日本では10年頃から厚生労働省の中央社会保険医療協議会で費用対効果評価の導入議論が進められてきた。9年を経て、ようやく本格実施へ向けたルールが固まり、1月23日の中医協で公表された。今後、2月の業界ヒアリングを経て19年度より実施される。詳細な論点は五十嵐中先輩に解説を譲るものの、本稿では実務的な論点や経営に与える影響を考えてみたい。 欧州(とくに英国)では、費用対効果評価は悪名高く、多くの新薬アクセスが拒否されてしまったが、日本では保険償還の是非に使われない点は重要だ。コンセプトとしては、有用性系の加算を引き剥がす調整であり、薬価引き下げは最大10〜15%であるため、影響は今のところ大きくない。費用対効果評価分析には1年以上を要するため、すぐに薬価が下がるといった影響を想定せず、市場に対する影響は大きくないように見える。 ただし、厚労省は頻繁...  日本では10年頃から厚生労働省の中央社会保険医療協議会で費用対効果評価の導入議論が進められてきた。9年を経て、ようやく本格実施へ向けたルールが固まり、1月23日の中医協で公表された。今後、2月の業界ヒアリングを経て19年度より実施される。詳細な論点は五十嵐中先輩に解説を譲るものの、本稿では実務的な論点や経営に与える影響を考えてみたい。 欧州(とくに英国)では、費用対効果評価は悪名高く、多くの新薬アクセスが拒否されてしまったが、日本では保険償還の是非に使われない点は重要だ。コンセプトとしては、有用性系の加算を引き剥がす調整であり、薬価引き下げは最大10〜15%であるため、影響は今のところ大きくない。費用対効果評価分析には1年以上を要するため、すぐに薬価が下がるといった影響を想定せず、市場に対する影響は大きくないように見える。 ただし、厚労省は頻繁にル

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