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医政羅針盤

大炎上した「毎月勤労統計」の稚拙な対応

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2019年2月15日号

 厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の不正調査問題が物議を醸しており、国会でも大炎上している。毎月勤労統計は、5人以上常勤労働者を雇用する事業所について、雇用者数や給与、労働時間を毎月調査するものであり、調査に要する膨大な手間を考慮し、従業員が500人未満の事業所は抽出調査とされる一方、500人以上の事業所は全数調査することとなっている。ところが、04年以降、東京都だけは、500人以上の事業所でも3分の1を対象に抽出調査を実施していた。 抽出調査であっても、母集団の対象数が多い場合に、適正な方法で実施し、それに基づいて全体を推計すること自体には何の問題もない。500人以上の事業所が全数調査となっていたのは、地方では500人以上の事業所数があまり多くなく、適正な抽出調査が困難なためだ。ただし、東京都は500人以上の事業所も多く、抽出調査に...  厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の不正調査問題が物議を醸しており、国会でも大炎上している。毎月勤労統計は、5人以上常勤労働者を雇用する事業所について、雇用者数や給与、労働時間を毎月調査するものであり、調査に要する膨大な手間を考慮し、従業員が500人未満の事業所は抽出調査とされる一方、500人以上の事業所は全数調査することとなっている。ところが、04年以降、東京都だけは、500人以上の事業所でも3分の1を対象に抽出調査を実施していた。 抽出調査であっても、母集団の対象数が多い場合に、適正な方法で実施し、それに基づいて全体を推計すること自体には何の問題もない。500人以上の事業所が全数調査となっていたのは、地方では500人以上の事業所数があまり多くなく、適正な抽出調査が困難なためだ。ただし、東京都は500人以上の事業所も多く、抽出調査にする

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