鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
「統計不正」根本から見直し、政争の具とすることなかれ
第80回
2019年2月15日号
1月末から「統計不正」問題のニュースが新聞、テレビ、ネットを賑わし続けている。 やれ「不正隠蔽」だの、やれ「身内調査」だの、やれ「アベノミクス偽装」だの……。確かに「毎月勤労統計」をはじめとするデータ不正は、雇用保険の支払いや消費税などの政策に影響を与えるだけに大問題だ。なぜ長い間発覚せず、ルール違反が放置されてきたのか。この際、徹底的に問題を洗い出してほしい。 だが、反アベの材料を得て勢いづく野党やリベラル系メディアの怪気炎を横目に、筆者は少し冷めた目でこの問題を見ている。というのも、わずか数年だが統計調査の現場にいた身として、批判の矢面に立たされる国の統計実務者の気持ちも少しわかるような気がするからだ。「じゃあ、批判するならお前らがやってみろよ」というのが、彼らの本音ではなかろうか。 信頼性の高い統計のデータを得るのは、口で言うほど...
1月末から「統計不正」問題のニュースが新聞、テレビ、ネットを賑わし続けている。 やれ「不正隠蔽」だの、やれ「身内調査」だの、やれ「アベノミクス偽装」だの……。確かに「毎月勤労統計」をはじめとするデータ不正は、雇用保険の支払いや消費税などの政策に影響を与えるだけに大問題だ。なぜ長い間発覚せず、ルール違反が放置されてきたのか。この際、徹底的に問題を洗い出してほしい。 だが、反アベの材料を得て勢いづく野党やリベラル系メディアの怪気炎を横目に、筆者は少し冷めた目でこの問題を見ている。というのも、わずか数年だが統計調査の現場にいた身として、批判の矢面に立たされる国の統計実務者の気持ちも少しわかるような気がするからだ。「じゃあ、批判するならお前らがやってみろよ」というのが、彼らの本音ではなかろうか。 信頼性の高い統計のデータを得るのは、口で言うほど容易
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