医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

現場が望む社会保障制度

「ババ抜き」のような高齢者医療費の小史(4)

第46回

ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳

2019年3月1日号

 トランプの「ババ抜き」は、1枚ずつ他者からカードを抜き取り、同じナンバーの札があれば捨てて、最後にジョーカー(ババ)を持っている人が負けるゲームだ。 1980年代から続く高齢者医療費をめぐる財政調整の歴史を見ていると、ババ抜きを思い出してしまう。負担増を嫌がる財務省(旧大蔵省)、総務省(旧自治省)、健康保険組合(健保組合)、地方自治体などのプレイヤーが「自分の負担をいかに減らすか」という議論を続けているためだ。 しかも、高齢者医療費は増加の一途を辿るなか、このゲームは30年近く続けられている。今回はババ抜きのような、高齢者医療費をめぐる小史を紹介する。不均衡な国民皆保険 19年2月1日号で指摘したとおり、国民健康保険の財政基盤はもともと、脆弱だった。日本の医療保険制度は現金収入や仕事が相対的に安定した労働者をカバーする被用者保険(健保組合...  トランプの「ババ抜き」は、1枚ずつ他者からカードを抜き取り、同じナンバーの札があれば捨てて、最後にジョーカー(ババ)を持っている人が負けるゲームだ。 1980年代から続く高齢者医療費をめぐる財政調整の歴史を見ていると、ババ抜きを思い出してしまう。負担増を嫌がる財務省(旧大蔵省)、総務省(旧自治省)、健康保険組合(健保組合)、地方自治体などのプレイヤーが「自分の負担をいかに減らすか」という議論を続けているためだ。 しかも、高齢者医療費は増加の一途を辿るなか、このゲームは30年近く続けられている。今回はババ抜きのような、高齢者医療費をめぐる小史を紹介する。不均衡な国民皆保険 19年2月1日号で指摘したとおり、国民健康保険の財政基盤はもともと、脆弱だった。日本の医療保険制度は現金収入や仕事が相対的に安定した労働者をカバーする被用者保険(健保組合など

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence