平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
企業の英知を拒む陸自衛生科
第71回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2019年3月1日号
2月13日、フェイスブックの「陸上自衛隊 第1師団/頭号師団」で、野外救護訓練の様子が掲載された。写真を見た関係者から筆者の元に「チェストシールのキャップを外していない」との指摘が寄せられた。本連載でも過去に取り上げたが、陸自が15万枚以上購入したチェストシールは「欠陥品」であり、キャップを外し忘れるとバルブが作動しないので、胸腔から排気されず緊張性気胸に移行して死亡してしまう恐れがある。筆者が写真を確認したところでは、キャップを外しているか否かはよくわからないが、銃創、破片創による胸部穿通性外傷では肋骨骨折も伴うので、チェストシールの上から肋骨骨折の安定化の処置がなされるべきだ。第1師団 救護訓練 バルブ外し忘れ 場面は傷病者集合点であると思われる。陸自では前線に医師が不在であるにもかかわらず「患者集合点」と呼ぶが、負傷者の集め方が問題...
2月13日、フェイスブックの「陸上自衛隊 第1師団/頭号師団」で、野外救護訓練の様子が掲載された。写真を見た関係者から筆者の元に「チェストシールのキャップを外していない」との指摘が寄せられた。本連載でも過去に取り上げたが、陸自が15万枚以上購入したチェストシールは「欠陥品」であり、キャップを外し忘れるとバルブが作動しないので、胸腔から排気されず緊張性気胸に移行して死亡してしまう恐れがある。筆者が写真を確認したところでは、キャップを外しているか否かはよくわからないが、銃創、破片創による胸部穿通性外傷では肋骨骨折も伴うので、チェストシールの上から肋骨骨折の安定化の処置がなされるべきだ。第1師団 救護訓練 バルブ外し忘れ 場面は傷病者集合点であると思われる。陸自では前線に医師が不在であるにもかかわらず「患者集合点」と呼ぶが、負傷者の集め方が問題だ。
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