医薬経済オンライン

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ステミラック薬価が投げかける再生医療の行く末

場当たり的対応は禍根を残す

2019年3月15日号

 3月初旬、英科学誌「ネイチャー」が再び、日本の再生医療製品の条件及び期限付き承認制度(早期承認制度)について「拙速で不公正」(premature and unfair)」と痛烈に批判した。槍玉に挙げられたのは18年12月に承認、2月26日に薬価収載された脊髄損傷治療用「ステミラック」だ。同剤はニプロと札幌医科大学が共同開発した。脊髄損傷の治療を目的とした再生医療関連の製品としては、世界で初めて臨床導入されたものだ。  ネイチャーはステミラックの承認が科学的に厳正さを欠くと批判している。  まずは臨床試験のデザインの問題で、17例がエントリーしたが除外基準をクリアした対象者が13例と少ないことを指摘。対照群(プラセボ群)も設定されておらず、脊髄損傷の改善が治療の効果なのか、自然に治癒したものか、医師の主観的判断によって回復と判断されたものか判然と...  3月初旬、英科学誌「ネイチャー」が再び、日本の再生医療製品の条件及び期限付き承認制度(早期承認制度)について「拙速で不公正」(premature and unfair)」と痛烈に批判した。槍玉に挙げられたのは18年12月に承認、2月26日に薬価収載された脊髄損傷治療用「ステミラック」だ。同剤はニプロと札幌医科大学が共同開発した。脊髄損傷の治療を目的とした再生医療関連の製品としては、世界で初めて臨床導入されたものだ。  ネイチャーはステミラックの承認が科学的に厳正さを欠くと批判している。  まずは臨床試験のデザインの問題で、17例がエントリーしたが除外基準をクリアした対象者が13例と少ないことを指摘。対照群(プラセボ群)も設定されておらず、脊髄損傷の改善が治療の効果なのか、自然に治癒したものか、医師の主観的判断によって回復と判断されたものか判然としな

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