医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

アジア人のゲノム医療に「光」

第102回 東北メディカル・メガバンク機構が「大金星」

生島准

2019年3月15日号

 この6月までにがん遺伝子パネル検査を利用したがんゲノム医療が始まる。多くの国民は諸手を挙げて歓迎しているが、本当に日本のがんゲノム医療は信頼に足り得るのだろうか。実は、技術的には大きな欠陥が隠されていた。だが、見切り発車しようとした日本のがんゲノム医療の救世主として登場したのが、11年3月11日に日本を襲った東日本大震災の復興プログラムの成果だった。日本のがん医療が孕む最大の欠陥は、がん細胞のゲノム上の遺伝変異を解析する基準となる正常人のゲノム(GRCh38)にある。ゲノム・レファレンス・コンソーシアムがヒトの基準ゲノムとして定めたものだが、実はGRCh38を対照に解析した日本人のがん患者の遺伝子変異プロファイルは、見逃しや擬陽性が多発することが避けられない。  米国国立衛生研究所(NIH)が中心となって遂行された国際ヒト・ゲノム・プロジェクト...  この6月までにがん遺伝子パネル検査を利用したがんゲノム医療が始まる。多くの国民は諸手を挙げて歓迎しているが、本当に日本のがんゲノム医療は信頼に足り得るのだろうか。実は、技術的には大きな欠陥が隠されていた。だが、見切り発車しようとした日本のがんゲノム医療の救世主として登場したのが、11年3月11日に日本を襲った東日本大震災の復興プログラムの成果だった。日本のがん医療が孕む最大の欠陥は、がん細胞のゲノム上の遺伝変異を解析する基準となる正常人のゲノム(GRCh38)にある。ゲノム・レファレンス・コンソーシアムがヒトの基準ゲノムとして定めたものだが、実はGRCh38を対照に解析した日本人のがん患者の遺伝子変異プロファイルは、見逃しや擬陽性が多発することが避けられない。  米国国立衛生研究所(NIH)が中心となって遂行された国際ヒト・ゲノム・プロジェクトは、

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