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医政羅針盤

疑問が募る医師確保計画の指標と枠組み

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2019年3月15日号

 厚生労働省は「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」において、19年度から都道府県で策定作業が始まる医師確保計画の検討を進めている。全国の医師数は増加を続けているにもかかわらず、医師不足の悲鳴は強まるばかりであり、今後の医師確保対策をどのように進めるかというのは大きな問題だ。だが、現在議論されている内容では、本当にうまくいくのか、疑問が募るばかりだと言わざるを得ない。  今回の医師確保計画の枠組みを端的に整理するならば、三次医療圏や二次医療圏で見て、医師の多い上位3分の1から、医師の少ない下位3分の1へと医師を動かすということだ。その判断基準として、医師偏在指標を設定することになっているのだが、その指標自体にも疑問を拭えない。それは後述するとして、医師の少ない地域は多い地域から確保せよと言っても、なかなか円滑に進みそ...  厚生労働省は「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」において、19年度から都道府県で策定作業が始まる医師確保計画の検討を進めている。全国の医師数は増加を続けているにもかかわらず、医師不足の悲鳴は強まるばかりであり、今後の医師確保対策をどのように進めるかというのは大きな問題だ。だが、現在議論されている内容では、本当にうまくいくのか、疑問が募るばかりだと言わざるを得ない。  今回の医師確保計画の枠組みを端的に整理するならば、三次医療圏や二次医療圏で見て、医師の多い上位3分の1から、医師の少ない下位3分の1へと医師を動かすということだ。その判断基準として、医師偏在指標を設定することになっているのだが、その指標自体にも疑問を拭えない。それは後述するとして、医師の少ない地域は多い地域から確保せよと言っても、なかなか円滑に進みそう

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